親の終活で話しておきたい「医療・介護」のこと|元気なうちに確認しておきたいポイント

「親が倒れる前に、もっと早く話しておけばよかった」

そんな後悔をしないために、元気なうちだからこそ話せることがあります。

親の医療や介護についての希望は、本人が自分の意思を伝えられるうちにしか聞けないことがたくさんあって、急な入院や体調の変化が起きてからでは、じっくり気持ちを確認するのが難しくなる場合があります。

親が認知症になったり、大きく体調を崩したりする前だからこそ、落ち着いて話し合えることがあります。この記事では、40代・50代の方に向けて、親の医療・介護についてどんなことを話し合っておくとよいか、順番に見ていきます。


なぜ元気なうちに話し合うことが大切なのか

「まだ早い」と感じるかもしれませんが、認知症や急な病気が始まってからでは、本人の希望を確認すること自体が難しくなります。

早めに確認しておくことで、たとえば入院先で「延命治療をどうするか」を家族だけで急いで判断しなければならない、といった事態を避けやすくなります。

早めに話しておくメリットは、

  • 家族が慌てずに対応できる
  • 本人の希望に沿った選択ができる
  • 家族同士の意見の食い違いを防げる

の3つです。「命に関わる話」ではなく、「もしものときに困らないための準備」として考えると、少しずつ話しやすくなるはずです。


まず確認したい「医療」に関する希望

かかりつけ医・持病・服薬状況

普段通っている病院や、飲んでいる薬について知っておくと、急な体調不良のときにすぐ役立ちます。お薬手帳の保管場所を確認しておくだけでも安心です。

人生会議(ACP)について話し合う

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、「人生会議」とは、本人を中心に、家族や医療・ケアチームと、今後受けたい医療やケアについて繰り返し話し合い、共有していく取り組みのことです。人生会議は、厚生労働省が普及を進めている取り組みでもあります。

延命治療の話だけに限りません。「どんな治療を望むか」だけでなく、「どんな生活を大切にしたいか」を含めて考えるものです。親の希望は一度決めたら終わりではなく、体調や気持ちの変化に合わせて何度でも見直してよいものです。

入院したときに大切にしたいこと

「誰に連絡してほしいか」「面会に来てほしい人は誰か」など、本人が大切にしたいことを聞いておきましょう。細かい治療方針よりも、本人の気持ちを中心に確認しておくことがポイントです。


次に確認したい「介護」に関する希望

在宅介護か施設介護か

「できれば自宅で過ごしたい」「施設でもよい」など、本人の考えを聞いておきましょう。実際に親の介護が必要になったときの選択肢が広がります。

誰が主に介護を担い、ほかの家族がどう支えるか

介護は一人で担うものではありません。誰が主に介護を担い、ほかの家族がどのように支えるかを話し合っておきましょう。特に40〜50代は仕事や自分の家庭もある時期です。「誰がどこまで動けるか」を、仕事との両立も含めて早めに相談しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

介護保険制度を利用するときの基本

介護保険は、要介護認定を受けたあとに利用できる制度です。申請は、住んでいる市区町村の窓口や地域包括支援センターで相談できます。詳しい手続きについては、別の記事でご紹介します。


話し合った内容は必ず記録しておこう

話し合った内容を書き残す方法のひとつに、エンディングノートがあります。

エンディングノートに法的な効力はありませんが、本人の気持ちを家族に伝える手段として、多くの方が活用しています。

  • エンディングノートに書く
  • 家族みんなで見返せるメモを作る
  • 定期的に見直す時間を作る

話し合っただけで終わらせず、あとから見返せるよう記録に残しておくことが大切です。


親が話したがらないときの伝え方

いきなり「終活しよう」と切り出すと、身構えてしまう方も少なくありません。

「もしものときに困らないように、少し聞いておきたい」

というやわらかい言い方に変えるだけで、伝わり方が変わることがあります。一度にすべてを聞き出そうとせず、少しずつ、何度かに分けて話題にする気持ちで臨むとよいでしょう。


家族で確認したいチェックリスト

まずは、最低限これだけ確認できれば十分です。

□ かかりつけ医と持病を知っている

□ お薬手帳の場所を知っている

□ 入院時に連絡してほしい人を聞いた

□ 在宅か施設か、親の希望を確認した

□ 話し合った内容をエンディングノートなどに残した


よくある質問

Q. 親が「まだいい」と言って話してくれません

無理に聞き出そうとせず、時間をかけて少しずつ話題にしてみましょう。ニュースや周りの出来事をきっかけにすると、自然に伝えやすくなることがあります。

Q. 親が延命治療について話したがりません

延命治療そのものを切り出すと、身構えてしまうことがあります。無理に結論を出そうとせず、「どんな生活を送りたい?」など、答えやすい話題から気持ちを聞いてみるのがおすすめです。

Q. 兄弟で意見が違う場合はどうすればよいですか

介護の方針やお金の負担について、兄弟姉妹の考えが食い違うことは珍しくありません。誰か一人で抱え込まず、早い段階で全員が集まって相談する機会を作ることが大切です。エンディングノートなど、本人の希望を書面で共有できるものがあると、意見の食い違いを減らす助けになります。

Q. 親が一人暮らしの場合、特に気を付けることはありますか

一人暮らしの場合は、体調の変化に家族が気づきにくいという難しさがあります。近所付き合いや民生委員、地域包括支援センターなど、日頃から様子を確認できるつながりを持っておくと安心です。地域包括支援センターの役割については、別の記事でも詳しく解説しています。

Q. 何度も話し合う必要はありますか

はい。体調や気持ちは変化していくものです。一度話したら終わりではなく、折を見て考えを共有し直すことをおすすめします。


まとめ

親の医療や介護について話し合うことは、決して重い話ばかりではありません。

「もしものときに、本人の気持ちを大切にできるように」

そのための準備だと考えると、家族みんなが安心して備えるための第一歩になります。

親が元気な今だからこそ、本人の希望を聞ける貴重な機会です。次に親と会ったときは、医療や介護について一つだけでも話題にしてみましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました